採用情報

Projecct STORY 困難を乗り越え作り上げた、明日に続く道

当社が担当したプロジェクトと、それにまつわるストーリーをご紹介いたします。

Project01

第二東名高速道路浜松舗装工事

DATA

工事期間
平成22年1月8日~平成24年4月26日
工事エリア
新東名高速道路 浜松浜北インターチェンジ~浜松引佐ジャンクション、浜松サービスエリア 総延長 L=16,721m
延べ人数
66,226人
延べ面積約
約 572,900㎡

4回目の公告でようやく落札できた NEXCO中日本が建設を進めてきた、新東名高速道路・御殿場JCT~三ヶ日JCTまで約162kmの舗装工事は、2010年3月27日~9月24日の約半年間の間に、計4回・10件の舗装工事が公告。
当社も大林道路とJV(joint venture・共同企業体)を組み応札しましたが、3回まではいずれも落札出来ず、4回目の公告の浜松舗装工事(浜松浜北IC~浜松引佐JCT、浜松SA)をようやく落札となりました。

Profile

杉浦 和弘

生まれも育ちも関東地方で、入社してからは全国各地で勤務。高速道路、国道、環境景観関係と様々なことを経験し、その中でもこのプロジェクトと現在施工中の豊川区間は、スケールの大きさと最先端技術を身近に感じながら仕事をしています。

第一印象は「とにかく広い!」 当社が担当した施工範囲は、新東名高速道路の浜松浜北IC~浜松引佐JCT区間の本線上下線約16.7km。浜松浜北IC、浜松SA、浜松引佐JCT、スマートIC*3といった、高速道路の本線及び、連絡・休憩施設の舗装工事でした。
道路幅員は、現在供用されているどの高速道路よりも広く、片側2車線~3車線に広い路肩があり、さらにトンネルの坑径も大きい。受注後に実際に現場を見た時は「とにかく広い!」という印象でした。
また新東名高速道路は、新しい日本の大動脈としての役割があるため、耐久性や車両の安全性の見地から、コンポジット舗装*1やコンクリート防護柵が全線において採用され、規格についても高規格でした。

中国メーカー製品の品質検査と部材確保に一苦労 路肩に設置した鋼製防護柵(ガードレール)の資材調達がコストオン方式*2で発注され、受注者は中国上海市のメーカーでした。
ガードレールに設置する部材は、それぞれJIS規格に合格している必要があります。もちろん国内メーカーの製品はJIS認定を受け、高速道路での納品実績や品質にも信用できますが、中国メーカーは日本での高速道路への納品実績も少なく、また規格、製造方法、工場の設備的にも日本国内メーカーと違うことが工場検査で判明。そこで製造工場やメッキ工場等の各工場で、規格、品質及び安全性についての指導を、月1回の納品検査時に行う必要がありました。
さらに中国で製造された製品は、定期的な船便で10工事分の数量をまとめて納品されることから、2ヶ月前に使用する部材の注文をする必要があり、注文数量の確定と在庫管理、それらを受け入れ、材料検査を行うスペース(土地)の確保が非常に大変でした。

美観を考慮したSA施工。終盤に急遽追加されたスマートIC工事 NEXCO中日本はサービスエリアの運営事業に力を入れており、建設時にも、利用するお客様が安全で快適に利用できることを第一に考え施工を行っています。
当社が担当した区間にも、浜松SAがありました。SAは時速100kmで走行する本線と違い、お客様が休憩や買い物ができる施設。そのため、平坦性や安全性といった機能的見地だけでなく、美観・景観といった意匠的見地も考慮しながら施工を行う必要がありました。

昨今の高速道路にある商用施設は、高速道路利用者以外も「プラットパーク」として高速道路外の駐車場も整備され、ショッピングを楽しむことができるようになっています。高速道路新設工事は主にドライバーとしての目線から施工を行うことが多いのですが、SAの施工はそれに加えて歩行者の目線も必要となります。図面どおりに施工するのではなく、細部に渡り、発注者と協議を行いながら、材料や工法の選定を行いました。中には、特殊な材料で制作に時間がかかるものあり、材料納期と施工が開通日の直前、というケースもありました。
また浜松SAには、スマートIC*3も設置されていますが、実はこれは当初の設計にはありませんでした。地元と発注者、その他関係各所で協議を重ね、設置を行うことが決定したのが工事も終盤に差しかかったころ。日にちが無いなかでの設計・施工を余儀なくされ、施工は完全に別班で行うといった方法で、何とか開通に間に合わせることができました。

熱いものがこみ上げた開通式 開通は、全国ネットでテレビ中継されました。「さぁー!新高速道路時代の幕開けです!」の声と同時に一般車が列をなして新東名を走る姿を見たときには、熱いものがこみ上げました。高速道路の工事はいくつも経験してきましたが、これほどの大規模工事はありませんでした。
新東名高速道路は、将来の日本の大動脈となる高速道路。また、現在の日本の道路建設の最先端の技術が駆使された高速道路でもあります。私は技術者として、その事業に携わり、完成させることが出来て非常に嬉しく思いました。

安堵感、喜び、そして一抹の寂しさ 竣功検査が終わった日。今まで何百回と通行した道を通行しているとき、工事のことを全く考えていない自分に気づき、「もう、工事のことを考えないでいいんだ」という安堵感と、「しばらくは仕事のことを考えたくない」という”燃え尽き状態”になっていました。
開通後も、テレビでは新東名のSAやPAの食べ歩きなどの企画が数々放映されました。苦労を重ねて作り上げた浜松SAの賑わいを目にすると、嬉しい気持ちの反面、自分の手から離れたんだという、どこか寂しい思いもありました。
浜松舗装工事は規模も大きく、工程管理が大変でした。さらに、低入札工事のため、原価的にも非常に厳しく、技術者としてだけではなく、企業人としては相当な苦労と重圧がありました。
この工事を無事やり遂げたことは、自分にとって大きなプラスとなりました。この経験は、現在担当している愛知県工区の豊川舗装工事にも生かされています。
現在の新東名高速道路も、走行性やSAの利便性は好評で、相変わらずの賑わいを見せています。今後開通する愛知県工区、神奈川工区が早く完成してくれることを望んでいます。

施工内容

切盛土工、のり面工、用・排水溝、路盤工、アスファルトコンクリート舗装工、セメントコンクリート舗装版工、交通安全施設工、交通管理施設工、他雑工

施工方法

①準備測量→②通信管路工、用・排水溝→③路盤準備工、セメント安定処理路盤工→④連続鉄筋コンクリート舗装版工(本線車線部)→⑤セメント安定処理路盤工、アスファルト安定処理路盤工(路肩部)→⑥コンクリート防護柵工→⑦アスファルトコンクリート中間層→⑧鋼製防護柵工→⑨アスファルトコンクリート表層工→⑩交通管理施設工、路面表示工
※連続鉄筋コンクリート舗装版工、コンクリート防護柵工はスリップフォーム工法
※鋼製防護柵(ガードレールの資材)調達はコストオン方式で中国産(上海通達が製造)

*1:表層または表基層にアスファルト混合物を用い、その直下の層にセメント系の版(普通コンクリート版、連続鉄筋コンクリート版、転圧コンクリート版、半たわみ性舗装等)を用いた舗装
*2:高速道路会社が資材納入会社から直接、資材を調達し、工事施工会社に資材を引き渡し、 工事施工会社とは、工事の施工のみの契約をする方式
*3:高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設置され、通行可能な車両を、ETCを搭載した車両に限定しているIC

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