建設用語小辞典

脱塩工法(だつえんこうほう)

意味

塩害(えんがい)でやられそうなコンクリート構造の表面に電解質溶液とプラスの電極を置き、鉄筋とかを陰極にして電流を流すと、塩素イオンなどはマイナスの電気をもっているので表面の方に吸い寄せられて、電解質の中に取り込まれるという工法です。電気を使うコンクリートの防食では、電気防食というのがよく知られています。これもコンクリートの表面を陽極、鋼材を陰極にして電流を流します。これで、腐食した鋼材と健全な鋼材との間でマクロセルができて腐食電流を消滅させるというわけです。電流を流す方法には、電源装置を用意する外部電源方式と亜鉛の固まりなどを転がして置いて、電池の原理で自然に鋼材との間に電気が流れるという流電陽極方式というのがあります。こうした電気を使う方法で、鋼材の実際の電位がどうなっているかを調べるために、電位の安定した塩化銀とか硫酸銅とかでできた陽極、照合電極といいうますが、これと鋼材の電位とを比較して調べます。こうして修復するのはいいのですが、怖いのが水素ぜい化というやつです。電流を流してやると、陰極側には水が電解して水素が集まってきますが、これが泡になって逃げ出せばいいのですが、鋼材の中にしみ込んでいきます。そうすると、鋼材のじん性(じんせい)が低下、つまりぜい化して、もろくなります。高強度の鋼材ほど影響を受けやすく、破断することもあるそうです。

英語

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