パーミアコン
パーミアコン(ポーラスコンクリート舗装):水をすばやく透す舗装
近年の都市化傾向が進むにしたがい、多方面にわたりその弊害が顕著となってきています。アスファルト舗装、コンクリート舗装それに各種建築物による地表面の遮水もその一つです。
毎年のように各地にみられる集中豪雨による河川の氾濫等々が、社会的に大きな問題となってきており、その解決は急務となっています。
もし、歩道を含めた道路の舗装が、構造的に強度を満足し、しかも透水性の優れたものであるならば、それら諸問題の解決に大きな前進となりうるものと考えられます。
そこで当社では、従来の常識を破りコンクリート舗装を透水性のものにし、なおかつ歩道、駐車場および軽交通道路の供用にも十分耐えられるポーラスコンクリート舗装「パーミアコン」の開発に成功しました。
パーミアコン表面性状
特性と効果
■歩きやすい舗装(パリアフリー、ユニバーサルデザインに...)
パーミアコンは、交通バリアフリー法の構造に関する基準に示される「歩道は原則として透水性舗装」に適合する、高機能なポーラスコンクリート舗装です。また、パーミアコン舗装は、ブロック系舗装の様な細かい目地凹凸もなく、平坦性に優れています。ポーラスな舗装表面はすべりにくく、透水機能も優れているため、高齢者や車椅子利用者が雨天時での安全・快適に移動できる道づくりに役立ちます。
■優れた透水性(水循環の改善機能)
パーミアコンは、透水係数が1×10-1cm/sec以上と大変優れた透水機能を持っています。
雨水を地中に浸透・還元するので地下水の涵養、地中の生態系の保持、樹木の発育に効果があります。自然と共存する環境計画づくりの一助となります。
■雨水貯留浸透機能
パーミアコンは、優れた雨水貯留浸透機能を持っています。雨水を舗装体内の空隙で一時貯留しながら、徐々に地中へ浸透・蒸発散させます。雨水のピーク流出を遅らせ、下水道や調整池等の施設への負担を軽減します。都市型河川氾濫を防止する雨水貯留浸透施設として利用できます。さらに地下浸透トレンチ等と組み合わせると雨水流出抑制システム(ミズトースシステム)としても利用できます。
■環境負荷軽減の舗装
パーミアコンのような白色系舗装では、アルベド(太陽光などの反射率)が大きいため、アスファルト舗装より表面温度が低くなります。さらに、舗装体内に保留した水分の潜熱(気化熱)により、舗装上の温度上昇を抑制します。透水性アスファルト舗装の表面温度が17℃上昇するのに対し、パーミアコン舗装は10℃の上昇にとどまっています。
パーミアコン舗装は都市におけるヒートアイランド現象の抑制、雨水管理向上等の課題解決に寄与できる環境負荷軽減型の舗装です。吸音効果もあり、より良い環境を創出します。
■空隙がつぶれない
透水性や排水性のアスファルト舗装では空隙つぶれがあります。しかし、パーミアコンは、主な結合材がセメントであることから、一度発生すると回復不可能となる空隙つぶれはありません。
舗装構成
■建築外構タイプ(緊急車両対応)
構成: パーミアコン:130mm、路盤(クラッシャラン):150mm
条件: 乗用車および緊急車両(はしご付消防車含む)
用途: 建築外構、駐車場
■駐車場タイプ(2)大型車対応
構成: パーミアコン:150mm、路盤(クラッシャラン):150mm
条件: 乗用車および大型バス
用途: 駐車場、建築外構、軽交通路
※設計CBR=3%以上の場合を基準としています。
※舗装厚は、荷重強度と設計CBR、降雨強度と路床土の透水係数により求め、最適な厚さを決定します。特殊条件に関してはお問い合わせください。
※骨材に鉄分が含まれている場合、表面にサビが出る場合があります。
※舗装内に長期間滞水するとエフロ(白華)現象が発生する場合があります。
※シート養生による、多少の色ムラが発生する場合があります。
施工フロー
■(株)佐藤渡辺では、材料の厳選はもちろんのこと、施工から完成、メンテナンスまでのトータル管理と優れた技術で、高品質の舗装環境をつくり上げています。
■パーミアコンは、施工現場に近い生コン工場へ厳選した材料を搬入し、配合・練りまぜをを行い、施工現場へ運搬します。
■材料の運搬はダンプトラック等で行います。
■施工方法には、機械仕上げと人力仕上げがあります。材料をフィニッシャーや人力により敷きならした後に、特殊プレートやパワートロウェル等でていねいに仕上げていきます。
■養生は一週間程度必要です。
■コンクリート舗装なので目地が必要となます。カッターによる目地または目地材等、現場に合わせて的確な施工を行います。
メンテナンス(洗浄)
パーミアコンの施工当初の透水係数は、1.0×10-1cm/sec以上あり、高い透水能力を持っています。しかし道路として供用しているうちに、空隙づまりで透水能力が徐々に低下することもあります。
この現象は環境条件等によって左右されますので経年数で単純に判断することはできません。
この現象への対策として、定期的なメンテナンスが効果的です。当社では空隙づまり清掃用に特殊高圧洗浄車を開発し、長期的にパーミアコンの透水効果を維持するためのメンテナンス作業も行っています。