植生護岸用パーミアコン工法

植生護岸用パーミアコン工法:ポーラスコンクリートによる多自然型護岸工法)

植生護岸用パーミアコン工法とは、植生護岸用ポーラスコンクリートを用いた多自然型河川護岸工法です。
この工法は、業界第一を誇る弊社のポーラスコンクリート舗装(パーミアコン舗装)の技術を応用したもので、コンクリートの本来の特性である強度による「護岸」の役割と、コンクリートに造られた連続したたくさんの空隙による「植生」を同時に実現した工法です。

特性と効果

■ポーラスコンクリートを使用
植生護岸用パーミアコン工法は植生護岸用ポーラスコンクリートを使用します。このコンクリートは骨材と骨材の間に連続した多くの空隙があり、優れた透水性能を持っています。
■護岸に植生基盤を創出し、生物との共生が可能
植生護岸用パーミアコン工法は、覆土後、張芝または播種を施す早期発現期待型、現地発生表土による覆土のみを施す中期発現期待型、ポーラスコンクリート打設後の状態で放置する長期発現期待型の3タイプから、用途・環境に合った構成選択が可能です。
■植生ブロック工法より経済的
植生護岸用パーミアコン工法は、他の多自然型河川護岸工法に比べ材料の供給が容易であり、機械施工により施工効率を高めることができるため、従来の植生ブロックを用いた護岸工法よりも経済的です。
■速やかな材料供給による品質の安定
植生護岸用パーミアコン工法は、使用される材料であるポーラスコンクリートの製造が、定置式生コンプラントはもとより移動式コンクリートミキサーにより現場にて製造できます。速やかな材料供給が可能となることから、施工現場で品質管理された材料の供給により、品質の安定した多自然型河川護岸の構築を実現します。

表面性状

完成後3年3ヶ月

相沢川 植生護岸用パーミアコン打設後(山形)

相沢川早期発現期待型 覆土・張芝後(山形)

基本構成

長期発現期待型概念図

■長期発現期待型
長期に植生の発現を期待する場合、植生護岸用パーミアコン上に覆土・播種などを施さず、時間をかけ、自然にまかせた状態で植生の発現を期待します。低水護岸などでのり勾配が緩い場合などでは、植生が発現すれば洪水時に土砂堆積が起こりやすくなり、自然に多様な植生が発現する環境になると考えられ、周辺植生と連続性のある護岸となることを目標としています。

完成後約6ヶ月

完成後約1.5年

完成後約1.5年

中期発現期待型概念図

■中期発現期待型
中期に植生の発現を期待する場合は、植生護岸用パーミアコン上に現地発生表土による覆土を施します。
在来の周辺植生と連続性のある護岸となります。

完成直後

完成後約10ヶ月

完成後約10ヶ月

桜川(茨城県)においての植生護岸用パーミアコン工法(中期発現期待型)の植生状況です。
植生護岸用パーミアコン上に現地発生表土による覆土(10cm)を施しました。
完成後約10ヶ月で覆土を行ったのり面全体に青々とした在来植生種が確認され、周辺の自然植生環境と連続性をもつ護岸となっています。

早期発現期待型概念図

■早期発現期待型
早期に植生の発現を期待する場合は、植生護岸用パーミアコン上に覆土を施した上で、張芝・播種などを行います。
この場合、特定の植種を利用することになりますが、この植種を維持したい場合は植生の維持管理が、例えば草刈りや除草、補植などが必要となります。

植生護岸用パーミアコン打設

完成後(覆土・張芝後)約2ヶ月

完成後約1.2年(10月末撮影)

適用対象範囲

植生護岸用パーミアコン工法は、植生護岸用ポーラスコンクリートの配合や施工厚、勾配を考慮する事により、高水護岸、高水敷、低水護岸、堤防護岸に適用が可能です。

植生護岸用パーミアコンのタイプ

植生護岸用パーミアコンのタイプ 標準仕様 河道特性
設計基準圧縮強度 空隙率
1.植生重視タイプ 10N/mm2以上 25~30%程度 流水の作用が激しくない場合
2.強度重視タイプ 18N/mm2以上 18%以上 急流や水衝部などの流水の作用が激しい場合

施工フロー

■ポーラスコンクリートは、施工現場に近い生コン工場はもとより移動式コンクリートミキサーにより現場にて製造も可能です。
■生コン工場からの材料運搬はミキサー車を標準とします。
■植生手順による分類により、覆土・張芝・播種等の植生の手当を施します。

施工事例

秋篠川(奈良)

中の橋川(奈良)

布目川(奈良)

相沢川(山形)

佐保川(奈良)

桜川(茨城)

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