建設用語小辞典

ミルク

意味

「セメントを溶かしてドロドロにしたもの」(建築)*1とあります。ドロドロにしたものをミルクと言っているわけで、食欲のおこる代物ではありません。ほかにもドロドロにして使うものはミルクと言われているだろうと思います。これは土木建築一般で用いられる用語で、正確にはセメントミルクです。舗装では半たわみ性舗装で、雷おこし状態の開粒度のアスコンに、このミルクを注入して強度と硬さを持たせます。この工法はフランスで開発され、昔はサルビアシム舗装と呼ばれる特許工法でした。今では特許は切れています。アスファルトのたわみ性とコンクリートの強さを併せもつものです。交通解放を速くするときは、超速硬セメントを用いたり、硬化促進剤(急結剤、凝結促進剤とも言います)を使ったりしますが、ミルクはあまり速く固まりすぎると注入する時間が取れなくなるので、最初のうちの凝結するまでの時間を遅らせる凝結遅延剤あるいは遅延剤と合わせて使ったりします。

セメントミルクはグラウトとも呼ばれます。グラウトの方が意味が広く、地盤の改良のための注入に用いる樹脂、水ガラスなどもグラウトです。グラウトはグラウトする、というように動詞としても使われます。

英語表記

半たわみ性舗装 半剛性舗装

semi-flexible pavement

サルビアシム舗装

Salviacim pavement

硬化促進剤 急結剤 凝結促進剤

accelerator

凝結遅延剤 遅延剤

retarder, setting delayter

グラウト

grout

コンポジット舗装

composite pavement, semi-rigid pavemnt


*1 この(建築)とあるのは、丸善出版サービスセンターから出版されている、福本悟美 著「建設現場の子守唄」の建築現場の「言葉の遊び」から取ったものです。「」で囲んであるのが、この本の記述で、あとは当ページの作者が追加した記述です。この本の中で紹介されている現場用語のすべてを収録したわけではありません。実のところ、建築で使われる言葉は舗装関係ではなじみのないものもあります。かなり共通性のあるものを収録しました。いくつかは、関連する記述として紹介していますが。

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