建設用語小辞典

クリンカー

これらのキーワードがハイライトされています:中庸熱セメント

意味

石灰石、粘度、ケイ石などのセメントの原料を窯(キルン:kiln)で焼成してから急冷してできた砂利状のもので、石膏を少し足して粉砕するとセメントになります。普通のセメントはポルトランドセメントですが、成分を加減することによって、早く強くなる超早強セメント、早強セメント、硬化は遅いが長期的には強く、発熱が少なくてひび割れの出にくい中庸熱セメントなどがあります。いずれも正確にはポルトランドセメントです。単なるポルトランドセメントは普通セメントということになります。原料に少し余分のものを加えると混合セメントということになります。PCCはportland cement concreteの略で、ポルトランドセメントコンクリートです。
ポルトランドセメントは1824年、イギリスの瓦職人 Joseph Aspdinが石灰石と粘土を混ぜて焼いて作ったのが最初で、それが Portland島というか岬から出る石に似ているというので、ポルトランドの名前がついたようです。どうしてポートランドでないのか? 日本で最初にセメンが使われたのは徳川幕府が元治から慶應初年のころに横須賀製鉄所の建設のときで、輸入品だったということで、幕府はフランス式の軍隊を編成するなど、フランスとの関係が強かったので、フランス語読みになったのでしょう。今ではポートランドセメントとも呼びますが、ポルトランドが定着したわけです。セメントにも語源があるわけで、ラテン語の caedere: 成長する、と mentum: 石片、の合成語が caementiciumになり、cementになったようです。ついでのコンクリートの語源も。やはりラテン語で con: と一緒に、と crescere: 成長する、の合成語で concretusになったものだということです。

英語

clinker

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