建設用語小辞典

アスファルト抽出法

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意味

アスファルト抽出法
アスファルト抽出法

アスファルト混合物に、実際にどれだけアスファルトが入っているか、あるいは、どんな性状のアスファルトが使われているか知る必要があることがあります。これを調べる試験が抽出試験です。ソックスレー法というのは、約1kgの試料を、アスファルトを溶かす溶剤を使って、アスファルトを溶解させ、下のフラスコに落とし、そのフラスコは加熱して、溶剤を蒸留するようにして再度使う、ソックスレー抽出器というのを使って試験します。こうすると混合物の中のアスファルトが無くなり、残りの重量を計ると、混合物の中の水分や、アスファルトとといっしょに溶け出す細粒の骨材成分をろ過する、ろ紙の重量などの考慮など、こまかしいことがありますが、アスファルトの重量が差として出てきます。これでアスファルト量が何%であるかわかるわけです。もう少し簡単なものに、試料を溶剤で溶かしては遠心分離器にかけ、アスファルト分が無くなって、透明の溶液しか出てこなくなったら、同じようにしてアスファルト分を計算する遠心分離法というのがあります。ソックスレー法に比べて、精度が落ちるというので、最近はあまり用いられません。また、アスファルト量の検査という意味では、最近ではアスファルト混合プラントのアスファルト計量器の精度が良くなっているため、アスファルト舗装の再生に用いるアスファルト廃材のアスファルト確認以外では、これらの試験はあまり、行われません。このほかに混合物を炉で燃焼させて、アスファルト分を燃焼させる、燃焼法というのがあり、燃焼から、計量まで自動で行う装置もあります。アスファルト量を求めるだけならこの方法が簡単です。混合物に入っているアスファルトの性状まで知ろうというときは、アブソン法が用いられます。これは、ソックスレー法や遠心分離法で出てきたアスファルトの溶解した溶液から、溶剤を蒸発させてアスファルト分だけを残します、その回収したアスファルトの針入度、軟化点などを調べます。これらの溶出させる試験に用いる溶剤は、アスファルトがよく溶けるというのが必要条件で、ベンゼンなども条件を満たしますが、加熱したりすることから、簡単に燃えないことが要求され、メタン、エタン、エチレンなどの炭化水素の水素分を塩素で置き換えた、四塩化炭素、三塩化エタン(トリクロロエタン)、二塩化メチレン、トリクロルエチレンなどが用いられてきましたが、これらはいずれも程度の違いはありますが、毒性があり、四塩化炭素はかなり昔に、三塩化エタンも最近製造されなくなりました。それらに代わるものとしてプロピルブロマイド、臭化プロパン(1-ブロモプロパン)、ナフテゾール、レモンの皮から採ったリモネンなどが試されていますが、値段が高かったり、溶出が遅いなどの問題があるようです。

英語

asphalt extraction

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