建設用語小辞典

アスファルト乳剤

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意味

略して乳剤ということが多いようです。アスファルトを乳化剤 emulsifierを使って、水の中に微小な粒子状に分散させたものです。実際には水とアスファルトが分解してアスファルトが骨材に接着して役目をします。タックコートなどに用いますが、乳剤をバインダに用いるアスファルト混合物もあり、常温で施工できる特徴があって簡易舗装などに適用されますが、最近では本格舗装にも適用する研究が進められています。乳剤を英語で言うとエマルジョン emulsionです。乳剤には粒子の表面がマイナス電気を帯びているアニオン系、プラス電気を帯びているカチオン系、まったく電気を帯びないノニオン系があり、一般に骨材は水があるとマイナスに帯電するので、アニオン系は、水が無くなるまでは反発しあって接着しないので、舗装ではあまり用いられません。という訳で、カチオン系の方がよく用いられます。カチオン系は一般に分散剤 diffusing agentのせいで酸性になりますので酸性乳剤と呼ばれることもあります。アスファルト分の特に多い、蒸発させたときの残留分が65%以上のもは高濃度アスファルト乳剤と呼ばれます。カチオン系です。アスファルトを液体にしたもので他に、アスファルトをガソリン、軽油などの軽質油(重油も使われるようです)に溶かして液体状にしたものがありますが、これはカットバックアスファルトと言います。車両のエンジンオイルなどが漏れてアスファルトが軟らかくなって舗装が傷むことがありますが、カットバックされると言います。乳剤は白濁色なのに対して、カットバックアスファルトは黒のままです。用途はかなり似ています。カットバックアスファルトの略語にRCというのがあります。ガソリンなどの揮発性の強い油分で割ったもので比較的短時間でアスファルトの被膜ができるところから、養生の速いという意味のRapid Curingの略です。もう一つ、MCという略語がありますが、こちらは灯油とか軽油で割ったもので、中程度の養生の速さということで、Medium Curingの略です。混合用乳剤、浸透用乳剤↓という分け方もあります。Slow Curingというのも有っていいわけで、実際SCというのがあって、これは重油のように揮発の遅いものでカットバックしてあり、アスファルトとも油ともつかぬ、いわゆる道路油(ロードオイルとも言います。)で、かつては砂利道の防塵のために散布されたようです。もう一つ、PAというのもあって、これはアニオン系の浸透用アスファルト乳剤でカチオン系に比べるとあまり使われないようです。PKという略語もあります。これはカチオン系の浸透用アスファルト乳剤です。

英語

asphalt emulsion ,emulsified asphalt

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