建設用語小辞典

押板(おしいた)

意味

二つ、意味があります。床の間の床には見栄えのいい板を使いますが、これが押板です。もともと床の間のない時代は、普通の床に置いて花を活けたりしていたようです。それが後に少しだけ壁を凹ませて決まったところに置くようになり、今のような形になったようです。ところで普通の床の間は一番手前に框(かまち)という、横木があって一段高くなり、その奥に畳とか押板があるわけですが、高くならず、床と面一(つらいち)になっているのは蹴込み床というようです。何かを蹴飛ばしたら入るということでしょうか? 押板にはもう一つ、押して開けるドアの手の触れる場所が汚れないように銅板とかを貼ったものがあり、英語ではfinger plate, push plate, hand plateらしいです。またドアのつま先で蹴飛ばしそうなところにはkick plate 蹴板でしょうか?をつけたりします。床の間に関連して床指(とこさし)とか指床(さしどこ)とかいう言葉があります。これは天井板と関係します。天井板を上に押しつけるように桟みたいな細い板がありますが、あれは竿縁(さおぶち)というのだそうです。これが床の間に対して直角方向に向いているのが床指しとか床刺しなんだそうで、嫌われています。理由を考えると、床の間には床柱がありますが、竿縁が床柱の中心にピッタリ合えばいいのですが、そうでないと何となく見苦しく、と言って竿縁の間隔は等間隔にしないと見苦しいというのでそうなったようです。しかし、室町時代の書院造りにはそういうのも多く、気にしなければそれだけのことです。竿縁がない天井でも、かならず、目透かし(めすかし)というのがあるので、やはり、天井板は床の間と平行に貼るということになります。このことは畳の向きとか、壁紙の柄に方向がある場合についても言われるようです。

英語

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