建設用語小辞典

地組(じぐみ)

意味

運搬の都合上、分割して搬入されたものを地上で組み立てることです。これをクレーンなどで吊って架設します。反対に上で組み立てるのは上組(うわぐみ)です。鉄の橋は工場で部材を作って現地に運び込む前に地組して、部材がちゃんと出来ているか検査します。仮組といっていましたが、ほとんど同じ意味でしょう。.ただ、仮組の場合は、もう一度ばらして運ぶということでしょう。ここから先は無駄口です。こうして仮組検査しても間違いはあるもので、昔、斜めの橋(斜橋(しゃきょう)と呼びます。)が図面が設計段階から裏返しになっていて、運び込んだら架けられなかったという話があります。板みたいなものだったら、裏返せばいいでしょうが、橋となるとそうはいかなかったようです。失敗となるといろいろあって、測量を間違えて、橋脚間の距離が図面と違っているのに気づかず、出来た橋を持っていったら、長さが足りないというのもあったそうです。私の先輩が作った橋は橋の方が10cmばかり長すぎて、これはチョン切って何とかなりましたが。短いのは継ぎ足すというわけにはいきません。強度不足になってしまいますから。失敗というのは誰もが一回や二回は経験するもので、学校出たてのころ、私が昔作ったポストテンション方式の橋は現地で桁を造るのですが、一番端っこの桁(耳桁と呼びます。)には高欄などが付くので余分の鉄筋が要るのですが、現地に行って見ると、この鉄筋が組んでありません。手順で一番あとに組むのかな、と思っているうちにコンクリートを打ち込み始めたので、あわてて鉄筋を入れさせたことがあります。あやうく高欄が落ちるところでした。ここで言うのもはばかられる、ひどい間違いをした人がいましたが、その橋はもっています。土から下の部分はよくわからなくて、設計するときも不安なものですが、安全率の中で何とかなっているようです。

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