建設用語小辞典

軒瓦(のきがわら)

意味

瓦には使用場所によっていろいろなものがあります。和風屋根の場合ですが、普通の和瓦があって、てっぺんの部分には棟瓦、その両端には鬼瓦、軒先用のが軒瓦です。そのほかけら羽では、けらば瓦、これは雨が吹き込まないようになっています。、四隅にも隅瓦、これも切妻と寄棟とでは形が違ってきます。それぞれのタイプに様々なバリエーションがあります。葺き方にも何種類かあります。最近の標準的なのは引っかけ葺きで、引っかけるための突起のある瓦(桟瓦(さんがわら)、和瓦の代表になっています。)を瓦桟(かわらざん)という板を、野地板の上に瓦の間隔に打ち付けてあって、それに引っかけていくものです。この方式は比較的に新しいもので、私の育った田舎では土葺き (つちぶき、どぶき、べとぶき)といって、粘土で瓦を固定していました。下から粘土を練ったのをひょいと上に投げ上げると屋根職人が器用に受け取る姿がみえたものです。この場合も土を止めるための桟が90cm間隔ではありました。水を使うので湿式工法とも呼ばれるようです。荒っぽいのは桟など設けず、釘だけでとめていくのもあるようです。瓦の語源をネットで調べるとサンスクリットのカパーラというのが多数出てきます。どうも仏教とともに来たようです。広辞苑に梵語 kapalaからか?となっているのですね。中国、百済と経由して瓦博士が当時の先端技術を伝えたようです。588年のことだそうです。ですが、瓦の発音は中国でも韓国語でもワ(大統領府の青瓦台はチョン・ワ・デのようです)で今一つ納得がいきません。韓国は百済以降は中国の支配下にあって中国に右に習えだったのかも知れませんが、日本だけに原音に近いものが残ったということになります。中国は何でも中国で発明したと言い張るくせがありますからカパーラという発音は消えたのかもしれませんが。kapalaを深追いしてみると、シバ神が血を飲むのに使う人の頭蓋骨で作った盃のようです。ちなみに瓦の英語はtileです。床も屋根も同じというのは納得できませんが、研究社の辞典ではそうなっています。瓦のように少しずつ重ね合わせて使う材料の場合に一枚の瓦でどれだけの幅が実際に葺けるのかを働き寸法という重なる部分を差し引いた寸法で表します。これで瓦が何枚必要かわかるわけです。重ね合わせのある材料では共通した言い方のようです。

英語

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