建設用語小辞典

花咲き現象

意味

アスファルト舗装に花が咲く? ある原因で、アスファルト舗装の面に小さい穴がアバタ状にあき、その周りが茶色あるいは白などの色になり、噴火したような状態になることがあります。花が咲くのは喜ばしいことではありません。原因は骨材に含まれる物質が空中の空気、あるいは水分と反応して膨張し、骨材が爆発するように破壊するために生じるものです。原因になる物質によって、周りの色が変わってきます。骨材に硫化鉄が含まれていて、これが酸素、水と複雑に反応して膨張して骨材を破壊する場合はまわりが鉄さびの茶色になります。骨材の中に含まれている遊離石灰も、水と反応して膨張して骨材を破壊します。この場合は白くなるわけです。製鋼の副産物としてできるスラグは骨材として使えますが、製鋼の際に加えた石灰が花咲現象の原因になります。そのためスラグは何カ月か放置してエイジング agingと言いますが、反応がすべて終わったものを骨材として用います。agingの訳語は老化、劣化ということになりますが、プラスの意味にはカタカナ用語を使うようで。同様な例がダストでもあります。

花咲き現象はアスファルト舗装に限った言葉でもなさそうです。検索でこのページに来た記録を逆にたどると、塗装関係でも、この言葉が使われています。もちろん、原因は違いますけど。こちらの方はブルーム:bloomとかフラワースポット:flower spotなど、カタカナ語もあります。塗ったペンキとか塗料に含まれていた水分とか揮発成分が熱で膨張して bloomした結果が flower spotなのでしょう。エイジングという言葉もいろいろな分野で使われる言葉です。「アーク溶接 エイジング」でこのページがヒットしたようですが、アルミの溶接では酸化を防止するためにアルゴンとヘリウムの混合ガスを吹き付けますが、ガスが完全に混合されるまではある程度、時間をかける、つまりエイジングする必要があります。何によらず、ほおっておいても何らかの変化があるわけですが、それが悪い方向への変化なら劣化、役に立つ方向への変化なら、シャレてカタカナでエージングといいます。一種のカタカナ語信仰があるわけです。塵芥も少し役に立つとダストになったりします。

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