建設用語小辞典

疲労破壊(ひろうはかい)

意味

針金を手だけで切るのは難しいことですが、何度も折り曲げているうちに、ぽきっと折れます。これが疲労破壊です。1回の載荷試験での強度よりも小さい力でも繰り返していくと、いつかは壊れます。構造物の設計に用いる材料の設計強度は、これを考慮して定められています。1975年以降に高速道路などで橋のコンクリート床の底が抜けるということがありましたが、過積載車の影響で疲労寿命が縮まったためです。この疲労寿命を試験するのが疲労破壊試験です。通常は一定の力でなく、ある波形を持つ力を掛けて試験します。矩形波やサイン波などがありますが、一番よく使われるのがハーバーサイン波です。これはサイン波と似たものですが、ほかの波形の上にサイン波を重ねたものと定義されているようです。サイン波ですとプラスとマイナスがあるわけですが、底上げしてマイナスがないものが使われます。交通による荷重もこれに似ているようです。じっと力をかけているだけで、材料の強度が落ちてくるという現象もあるそうで、静的疲労と言うようです。これの試験法もあって、微少な傷をつけておいて、一定の力で引っ張っておくと、時間とともに強度が落ちて、いつか破壊するというわけです。この破壊に至る時間をtime to failureと言い、静的疲労に対する強さを計るようです。応力集中も関係しているように思われますが、微少な傷は必ずあるものと考えれば、やはり疲労なのかな?と思います。そもそも破壊というのは微少な破壊の拡大なので、一応、「時間-破壊試験」としておきます。こんな言葉は、見たことはありませんが。

英語

fatigue failure

ページトップへ戻る