建設用語小辞典

擁壁(ようへき)

意味

土留め(どどめ)を永久構造物にしたものです。いや、土留めにも一番簡単な擁壁があります。石積みのもありますが、普通はコンクリートです。重力式擁壁というのは自重だけで背面の土砂からの圧力に対抗して安定するもので、ごつい感じのもので鉄筋は使いません。半重力式擁壁は、ちょっとスマートにしたもので、背面側に引っ張り力を生じるので、鉄筋を入れます。コンクリートは引張力に対する強度はあまり期待できませんから。もたれ式擁壁というのは、背面の土砂にもたれかかるようにして、支えるもので、さらに薄くなります。根元が滑り出すとまずいので、下に固い岩盤があるところで採用されます。石積み擁壁は似たような考え方です。扶壁式擁壁というのは、鉄筋コンクリートを使って重力式の余分の肉を省いたようなもので、形を保つための扶壁(バットレスというのが普通のようです。)という支えの壁があります。ところでこの扶壁式擁壁の底の板は底板とも言いますが、広い意味でフーチングです。フーチングというのは構造物の底にあって地盤に力を伝える上の構造より幅が広い板状のものということになっています。重力式擁壁の底部がフーチングなのかは微妙ですが、フーチングといっても間違いではないでしょう。

擁壁

英語

retaining wall

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