建設用語小辞典

供用性(きょうようせい)

意味

舗装が使用に耐えるか、その程度のことです。舗装要綱には供用性能という言葉も使われていますが、違いはよくわかりませんけど、多分、いろんな数値で表される供用性が供用性能なのでしょう。最近ではよくパフォーマンスという言い方がされます。コンピュータの性能がどれだけあるかをパフォーマンスとか言いますが、それと同じです。街頭での若者のパフォーマンスは演技という別の意味でしょう。供用性の評価には日本ではMCI Maintenance Control Index(日本語にすると舗装管理指数らしいです)が主に用いられます。これは、ひび割れ率とわだち掘れの深さ、それに縦断方向の凹凸の量で定まり、10点が満点で、次第に低下していきます。これら、供用性にかかわってくる値をすべり抵抗係数などとひっくるめて路面性状値といいます。アメリカのAASHO試験で導き出されたPSI Present Serviceability Index(和訳はサービス指数)と言うのもよく参考にされます。こちらの方も似たような量を使いますが、縦断凹凸は統計処理した分散の平均値を使ったり、ひび割れ率の定義が違ったりします。5点が満点でやはり低下していきます。いずれも専門家の診断を元に統計的に導き出された計算式を用います。このPSIの前身らしいのが、PSR Present Searviceability rating 和訳は乗り心地係数と言っていたように思います。ちなみに乗り心地の英語はriding qualityです。こちらは人が車に乗って感覚で乗り心地を五段階評価したものです。人の感覚であれば当然、個人差が出ますが、ある程度以上の人数で評価すれば統計処理でなるべく出ないようにできるようです。路面の評価としては、機械で計ったものよりも、より実際の乗り心地を評価したものとも言えます。PSIはなるべく、このPSRの評価値に近づけようとして式の係数が定められているようです。PSIが出来てからはPSRの方はお呼びがかからなくなり、私も忘れていました。ある人からの質問で、調べる破目になりhoso-mlのメーリングリストに世話になりました。また、RN Ride Number:ライドナンバーと言う言葉は、PSRの値を出すときの個々の評価値のようで、このライドナンバーを統計処理してPSRを出したものらしいです。こうした供用性能が供用した年数とともに、どう変わっていくかをグラフにしたものが供用性曲線です。良い状態からだんだん悪くなって、修繕すると、また跳ね上がるというノコギリ状の曲線になります。
アメリカにはまた、PCIという紛らわしい指標があります。Pavement Condition Indexの略で舗装状態指数が訳です。元は陸軍工兵隊の空港関係で、舗装の各種の損傷状態を目視と定規で評価して、何やらキテレツな曲線を使って減点を決め、100点満点から減点して総合的に評価していたものです。ちゃんとASTMの規格にもなっていて、ほとんど根拠もなくても実用的に役立つというので、規格としてしまう、いかにもアメリカらしいやり方です。写真がいっぱいあって損傷を意味するいろいろな用語の意味を知るのには役立ちそうです。

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