建設用語小辞典

ビチュリシック

意味

2006年5月27日に、これらの言葉の英語を教えてくれ、と問い合わせがきました。全部、初耳です。ネットで調べた結果、bitulithicはWarren Brothers社のFrederick J. Warrenが1900年に特許を取ったアスファルト舗装の商品名ですが、当時、これがアスファルト舗装の一般名として通用したようです。ワーレナイトビチュリシックは、今のNIPPコーポレーション、以前は日本鋪道、そのまた前身は日本石油の道路部が大正時代にワーレンブラザー社から特許の使用権を得たときの商品名だろうと思ったのですが、実は1910年にワーレンブラザー社のOBが Warrenite-Bitulithicという工法を発明したものでした。この工法はワービット工法という多分縮めた別名で、すでに収録していました。ペノリシックはビチュリシックと同じく、商品名だろうと思います。リシック lithicは石のような材質を表す接尾語です。1933年にWarren Brothers社が penolithic舗装を施工したという記録があります。このほかには英語のエレキギターのマニアと思しき掲示板にボディーがpenolithicというのが出てきます。ギターのボディーにアスファルト製品を使うわけもありませんので、まったく別の意味でしょう。想像すると木の胴に何か石の類を象嵌してあるのかな、と思います。舗装の方も何か似た特徴があるのだと思います。もしや、と思って日本道路協会の道路用語辞典を引いたら出てきました。英語はありませんが。これは先にアスファルトモルタルを施工しておいて、後から、これに付着しやすいように灯油をまぶし骨材を押し込むものです。一種のロールドアスファルト舗装です。これですと色目のいい石を使えば、石が象嵌細工のように見えるでしょう。実際、トンネルの中で明色にするためにロールドアスファルト舗装を施工したことがあります。penoで始まる英語に象嵌に関係する言葉はなく、また象嵌の英語を探してもpenoとかは出てきませんが、私の想像に違いないと思います。1933年の施工は大学のキャンパスで、装飾的目的はあったでしょう。penoが何かはありませんが、それは想像にしか過ぎませんがペンシルバニア産で色目のいい石があったのでしょう。貝殻かも知れませんが。最後のエマルビアですが、これは全然別で、Eurovia社のアスファルト乳剤の商品名のようです。これは今も存在していて手広くやっているようです。多分フランスが本元でしょう。改質と書いてありますが多分、商品名は昔と同じで改質系になったのは比較的新しいのだと思います。

英語

bitulithic

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