■短葉:葉が短く、放置しても10cm以下をキープ
ひめのの葉の長さは、ノシバの中では群を抜いて短く、短さではコウライシバと見間違えるほどですが、葉幅が広く、がっちりした草姿でイメージはやはりノシバです。ほとんどのノシバは放置すれば草丈が20cm〜30cmになり、本来が荒く大型です。しかし、ひめのは放置しても5cm〜6cm程度で、なびいて倒れるようなことはありません。多肥栽培の圃場のほとりでも10cmを越すようなことはなく、やはり特異な短葉を保持する不思議な新芝種と言えます。ひめのは、コウライシバにもない、ノシバにもない珍しい特性を有しています。
■強健:すりきれ・踏圧への抵抗性は極強
ひめのは、葉が短く小さいにもかかわらず、地下部や地表のほふく茎は太く硬く、不似合いなほど丈夫です。また地下の根茎層(ライゾーム層)が厚く、従ってほふく茎が多く、発芽力も強く、緻密さ、即ち密生度が非常に高いため、他の日本芝との比較では、すりきれ踏圧に対する抵抗性が強く顕著です。適切な肥培管理が行われれば、ノシバ中最上位と思われます。また、ノシバはもともと密生度のほか、葉の硬さや強靭さも強い方ですが、その中でもひめのは最も強い部類に属しますので総合的な強健さでは日本芝(ノシバ、コウライシバ等)中、最上位に入るものです。しかし、生育は早い方ではなく、安定性のある生育を続けます。
■緻密:非常に密度の高いターフを形成
単位面積内の葉数の多さをもって緻密と言いますが、ひめのの葉数は群を抜いて多く、標準型ノシバの3倍以上の高密度を有します。葉数の多いコウライシバ等は本来葉巾が細く、ノシバよりはるかに葉密度の高いものですが、これはサッチング等の維持管理上の問題が残ります。ノシバの強さを持ち、コウライのような緻密さを持つ、これがひめのです。
■安定:放置しても安定して高品質
芝の安定性とは、放置(サッチングなどの更新作業をしないこと)によく耐えること、及び春の芽立ちが強く順調なこと、生育のむらや徒長がなく草丈の平均が保たれること、などをいいます。ひめのはこの安定性がとくに高い芝種であるといえ、これは省管理型芝生としての特性を発揮する最も重要な部分です。また、ひめのは生育にむらが少なく、平均した外見を保つことも安定感を与えます。 |
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■濃緑:肥料がなくても自然に色が濃い
葉色がブルー系の日本芝はほとんど天然では存在せず、淡黄色が基調となっていますが、ひめのはその数少ないブルー系の濃緑色を有しており、ゾイシアンジャパン株式会社が保有するノシバ遺伝資源コレクション"M&Y
Collection"360種の中でも一目で判るほど、特徴ある美しさがあります。なお、少肥で放置された場合、生育は確かに衰えますが色落ちが少ないと言う不思議な特性があります。このため他の淡黄色系の日本芝のように少肥のとき起こる色むらが目立つことがありません。年間の緑葉期間は標準ノシバよりやや長い程度であまり変わりません。休眠の葉色はオレンジの混じった淡黄色に変わります。
■少穂:穂がほとんど出ず目立たない 穂がほとんど出ないと言うことはひめのの大きな特性で、景観を重視する芝生にとっては非常に大切であり、有用なことです。この時点こそ、見た目での芝生の優劣がはっきりとしてきます。
穂の結実は芝生にとって大きなエネルギーの消費であり、生育のためのひとつのブランクです。従って他種が一斉に出穂するこの時期でもひめのの生育は継続されており、花粉による被害もありません。しかし、実際には全く出穂がないのではなく、わずかにはあります。大体標準型の30分の1(1m2あたり100/3000本)程度で、しかも穂長が短くて目立つことがありません。またこの少ない出穂も時期が標準種に比べ3週間ほど遅いことでもあり、注意していなければわかりません。
■耐寒:耐寒性も抜群で春の芽立ちも良い ひめのが生まれたゾイシアンジャパン株式会社比較試験圃場は標高が650m、冬期の低温ピークはマイナス13℃が何度も観測されるほど寒い場所です。従って耐寒性の試験圃としては充分な条件を満たしており、ひめのはここで10回以上の越冬をクリアし、その耐寒性は証されています。
一般的に南西諸島方面の芝種は生育の早い特徴がある一方、耐寒性がなく、交配種では春の芽立ちが問題となる場合がよくあります。そんな中でもひめのは例外的に耐寒性が強く、毎春の発芽は非常によく、安定しています。 |